試してみれば?

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 僕とその友人の松山元気は、同時に頬杖をついて大きなため息をついた。彼は僕の取っ
た行動が気にいらないらしく、不機嫌な様子でこちらを睨みつけてきた。
「おいおい嫌味かよ、そのため息は。おまえは大学合格したからいいけどさ、これからま
だ受けなきゃならないオレの心情を察してくれないのか?」
 どうやら誤解されたようである。僕は別にそんなつもりでため息をついたわけではなく、
諸般の事情があるのであった。だからどう弁解するべきか頭の中で考えていると、元気の
表情はますます曇っていった。ただでさえ不合格続きでピリピリしている彼の神経を、こ
れ以上逆撫でするわけにはいかない。僕はそこで正直に自身の悩みを打ち明けた。
「恋をしているのさ」
「はあ?」
 声がか細かったためか、元気には届かなかったらしい。僕は仕方なくややボリュームを
上げて話すと、元気は芸人に勝るとも劣らないオーバーリアクションで悲鳴を上げた。
「マジかよ?」
「大きな声出すなって。みんなに聴こえちゃうじゃないか」
「それで誰なんだよ、その相手は?」
 さっきまで進路のことで悩んでいた男とは思えない笑顔を、元気は見せた。根は明るい
性格なので、こちらの方が自然ではあるのだが。
「バスケ部の平井」
「マジかよ?」
 再度のオーバーリアクションで教室中のみんなの視線が、僕ら一点に集まった。僕は元
気の手を引っ張ると、教室を出た。休み時間はあと少ししかないのだが、次の授業は自習
だったため、僕はサボることにしたのだ。もちろん元気は巻き添えってことで。

「そりゃ初耳だわ。しかも相手が平井麻美なのかよ。キビシー」
 卒業まであと一ヶ月を切った時点でのこの告白は、どうかしていると僕も思っている。
しかしこの三年間この高校で何をしてきたのかを考え直しみて、僕は何もやり遂げていな
いことに気づいたのだ。バスケ部に所属したものの、ベンチにやっと入れるかどうかの控
えで終わったし、特にこれといった恋愛をしたわけでもない。まわりの多くの同じ高校生
が街中を仲睦まじく帰っている様子を、臍を噛んで見守るほかなかったのだ。これって空
しすぎではないか。そんな思いがふつふつと沸いて、込み上げてきたのだった。

「キビシーのはわかっているよ。だけど僕はダメ元であいつに告白する」
「けれども平井って彼氏いたんじゃなかったっけ?」
 平井麻美。僕と同じ女子バスケ部に所属していた彼女。天性の試合勘と絶妙なフットワ
ークでバスケ部のバリバリのレギュラーだった。僕はそんな彼女に憧れ、練習でも彼女の
動きを真似ながら、あんな風にうまくなって上を目指していきたいとずっと思い続けてき
た。やがて僕の中に恋心が芽生え、彼女への思いを募らせていった。声を掛けられるだけ
で胸は踊り、アドバイスしてもらうだけで顔は真っ赤になった。彼女に普通に声を掛ける
ことのできる連中が羨ましかった。可憐なルックスは他校のバスケ部男子部員にも広がり、
その評判を聞きつけて彼女の試合はいつも人だかりが出来ていた。
「訊いたことあるよ。確か一つ上の先輩だったっけ」
「無謀なチャレンジだと思うけどな」
 自販機で買ったコーヒーを飲みながら。元気が言った。全くその通りである。
「無謀でもいいのさ。最後は後悔しないように、卒業したいからさ。平井に声を掛けてみ
てくれないかな?」
 平井と元気の今付き合っている彼女は、中学校からの友人だった。だから僕は元気に依
頼したのである。彼は腕を組みながら何事か考え事をしているらしく、しばらく黙り込ん
でいた。やはり僕が平井に告白することは、無茶なことと考えているのだろうか。僕はだ
んだん不安になってきた。
「よし、協力してやろうじゃないか。ダイの一大決心なんだからな。任せておけって」
 元気は拳を胸に当てて、そう言った。とりあえず良かった。告白の舞台に立つ前に転げ
落ちるような真似はしたくなかったので、僕は元気の手助けに感謝した。

ユーレイ [YeKhI-LdZMD-wQODy-eCIJI] 2005/03/26(土) 01:40:35

運命の丘
 午後五時、場所は駅前の公園内にある『運命の丘』に決まった。運命の丘というのは、
まわりにうっそうと緑が広がっていて、その木々の間から夜になると満天の星が眺められ
るということから、若者の間で告白する場所として地元で有名になっていた。
「わざわざあの場所にしなくたって良かったのに。ああおかげで余計緊張してきた」
「ダメ元なんだろう。おまえが緊張してどうするんだよ」
 そう言って僕の肩をポンと叩いた元気。いよいよ運命の時は刻々と近づいていた。
「オレが協力できるのはここまでだな。後はおまえの気持ちがどれだけ平井に届くだろう
かだよ。あいつとはバスケ部で一緒に三年間やってきた仲間じゃないか。何にも知らない
相手じゃないわけだし、気楽な気持ちで臨めよ」
 彼は大きく手を振ると、笑顔で公園前を後にした。僕は彼のアドバイスを頭に入れつつ、
大きく深呼吸をして息を整えた。平井がやって来るまであと十五分。僕はわずかの時間で
考えた告白の時の言葉を反芻してみることにした。一本の木を平井に見立てて、僕は小さ
な声で何度か練習した。

「いい度胸だな」
 どこからか男性の声がした。その声はドスの利いた低いもので、僕は即座に全身に寒気
が走った。おそるおそる振り返ってみると、僕を鋭く睨みつける一人の男性が立っていた。
体はごつく、とても大柄な男性だった。頭は五分刈りに短くしていて、風貌はとてもいか
ついものだった。おそらく平井の彼氏だろうか。
「麻美に告白するのは構わないが、その前にこのオレが相手してやろうじゃないか。どん
なつもりでそんな気を持ったんだ?麻美に彼氏がいるってのを知っていたんだろう?いい
度胸じゃねえか」
 明らかに脅されているみたいだった。肝心の平井は姿すら見えず、僕はすっぽかされて
しまったことを知った。
「ええ、知っています。僕はそれでもいいから、平井麻美さんに告白しようと決めました」
 僕が真剣に言うと、その大男は大笑いした。まるで僕が彼女に告白するのは、お門違い
だと言わんばかりに。
「どうやら麻美に恋をしているのは間違いないようだな。だけど残念なことに、この田村
和馬が存在する限り、麻美は絶対におまえなんかに心は許すことはしないだろう」
 これって修羅場だと僕は頭のどこかでは認識はしていた。しかし頭がパニックになった
り、足がすくんだりすることは自然と起こらなかった。通常の僕ならこんなに冷静になれ
ることはまずないだろう。
「それでも構いません。どうか平井さんと話をする機会だけでも認めてください。どうか
お願いします」
「自惚れるな」
 右頬にパンチがクリーンヒットした。拳はそんなに重い感じではなかったが、それでも
痛みを伴うものに変わりはない。僕はその場に倒れ込んでしまった。
「暴力で解決させるつもりですね。僕はそんなことでは怯みませんよ」
 今度はお腹に軽いキックをお見舞いされた。今度は先ほど痛みはしなかったが、精神を
甚振るだけの効果はあった。そして徐々に理不尽じゃないかって思いはしてきた。僕は運
命の丘にパンチやキックを見舞いに来たわけではない。平井麻美に自分の思いを告白に来
ただけだ。それだというのになぜこの大男が来ているのだ。確かに元気は平井に伝えたと
言っていたのに。
「もう止めなさいよ。暴力で解決するなんて間違っている」
 そう言って木陰から出てきたのは、何と紛れもなく平井麻美だった。何と彼女は木陰か
ら僕らの様子を観察していたのだ。だったらどうして止めてくれなかったのだろうか。僕
は彼女の前だという意識もすっかり薄れ、この想像だにしない展開に面食らっていた。
「ああ悪い悪い。ついついいつもの癖が出ちゃって。でもこいつなかなかの度胸の持ち主
だよ。話だけ訊いてやってもいいんじゃないか?」
 さっきの言葉とは随分と落差がある田村の言葉。あのいかつい顔つきはどこかに消えて
いて、彼は柔和な笑顔を見せていた。平井の前ではいつもこんな感じであるのだろうか。
「よくそんなことが言えるわね。あんたは私と付き合っていたんじゃなかったの?まあ、
そんなことどうでもいいわ。ねえ、杉山君?」
 まさか彼氏同伴で運命の丘にやって来るとは思わず、僕は告白の言葉なんかどこかに吹
き飛んでいた。一体彼女何を考えているんだろう。僕はそちらの方が気になった。僕がバ
スケ部で見た平井麻美はここにはいなかった。
「まさか彼氏同伴だとは思ってなかったよ。もう結果はこの展開ですべて出ているよね。
僕はこれで帰るから……」
 僕は肩を落として運命の丘を去ろうとすると、平井が歩を進めてこちらに向かってくる
ではないか。
「待って。一方的に私を連れ出したのはそっちじゃないの。あなたが先に退場するなんて
どう見たって変よ」
 何を言っているんだ、変なのはそっちじゃないか。だいだい彼氏同伴で来るなんて非常
識じゃないか。バカにするのも程がある。僕の心がどれだけ傷ついているのか、平井は理
解しているのだろうか。あまりにも無神経しすぎる。
「幸せになってね」
「違うってば。私の話をよく訊かないで、杉山は帰るわけ?」
 僕は彼女の言葉に耳を貸さず、運命の丘を後にした。しかしとんだ体験だった。僕の心
は悔しさと悲しみで一杯で、涙が溢れるのをこらえるので必死だった。

ユーレイ [YeKhI-LdZMD-wQODy-eCIJI] 2005/05/01(日) 01:46:00

癒えぬ傷
 告白は失敗に終わった。僕は潔く元気に報告すると、彼はこう言った。
「パンチ一発にキックも見舞ったらしいな。ユキから聞いたよ」
 ユキとは元気の彼女の名である。
「まさか平井の彼氏が登場するとは思いもしなかったよ。オレの女には近づくなって感じ
でものすごい威圧感だったな」
「彼氏、格闘技をやっているみたいだからな。とんだ災難だったな。それにしてもどうし
て平井は彼氏を連れてきたんだろう。私達ラブラブなんですって所をダイに見せ付けたか
ったんだろうか。とにかく酷いことするよな」
 傷がまだ癒えていない僕のハートに、元気がとどめの楔を刺してきた。
「そんなことどうだっていいよ。僕は平井の告白には失敗したことに変わりはないんだから」
「ところで平井はダイに対して、何と返答したわけ?」
「特にはなかったかな。ただ」
「ただ?」
「『あなたが先に退場するのはおかしい』と言われた。何のことだと思ったけど、僕は取り
合わなかった。彼氏同伴で来たわけだからね。それが答えだと思ったんだ」
 僕が話すと、元気は首を傾げた。何だか僕と違う考えを持っているようである。それが何
のか僕はすごく気になった。
「平井は妙なこと言ったんだね。あなたから退場するのはおかしいか……」
 そう一言話すと、再度何やら考えを巡らせ始めた。あなたから退場するのはおかしいとい
うフレーズの部分を何度も言い返した。僕は何を考えているのかわからず、ぼんやりと外を
眺めた。校庭では僕らよりも下の学年の生徒達が、月末に迫ったマラソン大会へ向けて練習
を重ねていた。つい去年の今頃は僕もあの校庭を走っていたのに、一年とはあっという間で
ある。そして僕は結局この高校で何の思い出も残すことなく、去って行かねばならない。大
学合格という結果は残したものの、今の僕は妙に寂しい気持ちになっていた。
「まだ諦めるのは早いって、ダイ。平井ははっきりと断ったわけじゃないんだろう。あなた
と付き合う気はありませんって言われたら、ジ・エンドだけどまだ終わってないよ」
 元気はあの悲惨な現場を目撃していないから、こんなことが言えるのである。平井が見せ
たあの冷たい視線。僕ははっきりと脳裏に焼き付いている。
「励ましてありがとう。だけどもう終わったんだよ」
「そんなことないって」
「元気は後期試験に向けて集中しろ。そして夏休みに一緒に旅行に行こうじゃないか。去年
の夏にそう約束をしただろう?」
 受験のことを言われて、元気は押し黙った。何ともいえない空気が僕らのまわりを包んで
いた。

 放課後。一人の女性が何人かの女性軍団の輪から解けて、僕の方へ向かってずんずんと進
んでくるではないか。驚くことに何と平井麻美だった。僕は元気を含めた男友達とゲームの
話で盛り上がっている最中で、僕は突然の彼女の行動に心臓が張り裂けそうになった。失恋
したといっても、まだ嫌いになれるはずもない。平井は僕を通り越して、元気と楽しそうに
談笑していた。
「ユキったら私を責めるのよ。どうして彼氏なんか同伴させたんだって。私元々連れてくる
つもりなんてなかったのよ。それなのに和馬が強引に運命の丘に行くとか言い出して」
 僕にわざわざ聞こえるように、平井は昨日の事情を事細かに話し始めた。
「そうだったんだ」
 笑って元気は答えた。時折僕の方をチラチラ見て、僕の様子を確認しているみたいだった。
話題は徐々に元気の彼女になっていき、それがしばらく続いた。およそ十五分くらいだった
だろうか。僕はだんだんとここにいることが、辛くなってきていた。何とも言えない胸の苦
しみが溢れ出てきて、平井と顔を合わすことを拒んでいるようだった。僕はついに我慢がで
きなくなって、突然ピロティーの方へ向かって走り出した。
「何処へ行くの?」
 声を掛けたのは何と平井の方だった。しかし僕はそれに制止されることなく、一目散に向
かって駆け抜けた。急いで下駄箱で靴に履き替えると、僕は懸命に自宅へ向かって走り始め
た。果たして平井は何の為に、僕の前に現れたのだろうか。僕にさらなる衝撃を与えるため?
全く理解できなかった。

ユーレイ [YeKhI-LdZMD-wQODy-eCIJI] 2005/05/28(土) 03:06:01

送別会
 卒業式を三週間後に控えて、バスケ部の後輩達が送別会を開いてくれることになった。ま
だ受験が残っているメンバーを除いて、全体の六割ほどが参加することになっていた。その
中にはもちろんあの平井麻美もいて、僕は乗り気でなかった。しかし後輩達がせっかく開い
てくれるというのだから、断るわけにはいかない。それで僕は渋々この会に参加することに
なったのだ。
「ダイ、おまえやるじゃないか」
 運命の丘近くのイタリアレストランで開催されることになった送別会。その店の前で待ち
構えていたのはバスケ部の友人の桜井知明。彼は部で一番心の通える友人だった。楽しい時
も苦しかった時も、共に戦ってきた仲間である。受験の関係でここ一ヶ月話はできなかった
が、こうして久々に会ってみると心は安らいだ。
「まあな。けれどもおまえもA大受かったんだろ。なかなかやるじゃん」
 A大は偏差値の高い一流大学である。そこを現役で受かったのだから、大したものである。
彼は満足感いっぱいでここにやって来たのだろう。それは彼の顔を見ればすぐにわかった。
「まあおかげさまで。今日はせっかくだから楽しもうぜ」
 男女を含めて三十人もの部員が店の前に既に集まっていた。それに後輩達が数十人加わっ
て、既に店は貸切状態になるであろうということが想定された。しかしこれだけ集まるのも
きっとあの平井麻美の存在があるからであった。彼女の存在はバスケ部の中では絶対である。
それを顕著に示しているのが、集まっている後輩の多くは女性部員ということであった。
憧れの先輩と一緒にプレーしたい。そんなことを思うのはこの年頃なら当然である。そのお
かげで現在ウチの高校のバスケ部は大所帯になってしまった。
「しかし平井の人気は相変わらず絶大だな。そうでないとこんなに人集まらないよ」
 平井という名に敏感になっている僕は、体がピクッと反応した。
「そうだね。その通りだと思うよ」
 そんな僕と智明の会話がしばらく続いて、後輩部員がざわざわ騒ぎ出した。どうやら平井
麻美が顔を出したようである。彼女のまわりには多くの女子部員が取り付いて、先輩合格お
めでとうございますと幾重も重なって、連呼していた。まるで宝塚のトップスターみたいに
それは見えた。
「この会は平井の為にあるようなもんだね。僕らは試合の時のように、陰でこの催しを楽し
ませていただきますか」
「そうだな」
 レストランに入ると、僕らは端の席を探し求めた。当然平井は女子部員に促されるように、
中央の席に案内された。そしてそのまわりを後輩達が取り囲んだ。平井は笑顔を絶やさず、
何やら話をしている。僕はその様子を何気にぼんやりしながら、見つめていた。こうしてみ
てると改めて平井の存在の凄さがわかる。僕はそんな人物に告白したんだ、何と無謀な事を
したんだろうと僕は思った。
「どこを見ているんだよ?」
 運ばれてきたペペロンチ―ノを頬張りながら、智明が言った。僕はその呼びかけで我に返
ると、何事もなかったように食べ始めた。
「どうせ平井でも見てたんだろう。おまえのその気持ちよくわかるよ。僕も一時期あいつの
ことを好きになったことがあるからね」
 意外な智明の告白だった。やはり平井に憧れていた男子部員は僕だけではないのだ。そう
思うと何だか少しだけ落ち着いた。僕らは端の席でひっそりと数人の男子部員と思い出話に
花を咲かせた。

 四十分ほどたって僕はトイレを行くために席を立った。周囲は相変わらず盛り上がってい
た。きっとこんなにも親密に話をできるのも最後だろう。僕は妙な感慨にふけっていた。す
ると今まで後輩達と今まで話をしていた平井が席を立った。彼女も僕と同じくトイレへ行く
つもりなのだろうか。僕は彼女に追いつかれまいと、駆け足で男子トイレへ向かった。別に
走ることもなかったのだが、自然とそうなってしまった。やはりあの運命の丘での光景が頭
に染み付いているせいだろうか。
 トイレから出ると、何とその平井が僕を待ち構えていた。彼女は眉を上げ少々不機嫌な様
子で僕を眺めていた。まさかこんな所で彼女と対面するとは思ってもみなかった。
「何か用事?」
「別に」
「だったら失礼するね」
 僕は彼女から離れようとすると、左の手首を押さえられた。僕が驚いた様子で彼女を見つ
めると、そっとこう呟いた。
「誤解している、ダイ」
 ダイと直接平井に言われて、不覚にも僕の顔は紅潮した。だが僕は彼女の手を振りほどく
と席に戻ろうとした。しかしさらに彼女は小さな声で何か語りかけてきた。しかしバスケ部
員の大きな話し声にその言葉はかき消された。彼女は何かを言いたかったようだが、今とな
ってはもう遅いのだ。運命の丘で起きた出来事が僕にとってすべてだったのだ。
 僕が席に戻ると、平井は随分肩を落とした様子で戻ってきた。しかし席に着くなり、彼女
は何事もなかったかのように、後輩部員達と話を始めた。僕はそれを確認すると、再び仲間
達と話を始めた。

ユーレイ [YeKhI-LdZMD-wQODy-eCIJI] 2005/06/07(火) 00:21:30

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